受験と日本史を考える

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【指導内容】旧石器時代・縄文時代

こんにちは。

 

今回は旧石器時代縄文時代についてです。

正直なところ、大学入試での出題頻度は低く、今年度の入試対策課外でもほとんどすっとばしてしまいました。授業をしていく上で留意した点等について触れてみたいと思います。

【地理歴史編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説によれば、

旧石器文化から縄文文化への変化については,自然環境と人間の生活との関わりなどに着目して,例えば,「気候の変動や,地域の気候や環境の特色は,人々の生活や文化の推 移にどのような影響を及ぼしたのだろうか」などの課題(問い)を設定し,黎明期の日本列島の歴史的環境と文化の形成について考察するなどの学習が考えられる。

とあるため、旧石器時代から縄文時代への変化を考える際、自然環境の変化に伴って人間の生活(食料確保・道具・住環境・文化)が変化したことを強調するべきだと思います。

 

生徒は個別具体的な知識の羅列を嫌うため、一つの軸を設定すべきです。(指導要領的には、「時代を通観する問い」ってことかな?)

 

私の場合は、「環境の変化(温暖化)に伴って、何が変化したのか?」ということで出発していきました。「弓矢の発明→縄文時代」という思考の回路ではなく、「縄文時代→地球の温暖化→大型動物から小型動物へ→弓矢の発明」というような思考の回路を生徒自身に組ませたかったという意図があります。

 

時代を特徴付けるテーマをしっかり押さえておくことで、そこから演繹的に個別具体的な知識を引っ張り出せるようになると考えています。

 

特に、原始時代は、多くの遺跡が登場するため、生徒にとっては、非常に厄介な時代です。できる限り、少ない知識で入試に臨めるようにするべきです。

 

また、入試対策課外で確認したところを中心にまとめておきたいと思います。

縄文時代に農耕が始まっていたことが常識になりつつあります。(もう常識なのかな?)

 ・「原始農耕」・「原始的な農耕」→縄文時代

 ・「本格的な農耕」→弥生時代

 ・代表的な遺跡→佐賀県菜畑遺跡・福岡県板付遺跡

アニミズムや埋葬・信仰に関することも要注意。

 ・土偶・石棒

 ・抜歯・叉状犬歯

 ・屈葬など

縄文時代の交易(産地は限定的だが各地で発見→交易されていた!)

 ・黒曜石(石鏃の原料)→長野県和田峠

 ・ひすい(装飾用)→新潟県姫川

 ・サヌカイト→奈良県二上山

 

とにかく、

環境変化(温暖化、日本列島形成、植生・動物の変化)をしっかりと理解させることです。